古雜文庫

図書カード

新居格:機械と文學

表 題 機械と文學
著 者 新居格
底 本 新藝術論システム第五卷「機械藝術論」(1930年5月28日 天人社刊)
初 出
更新日 2022/02/12

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 私は最近フオツクスの「勝利を博しつゝある機械」を散讀して私自身もまたその點に觸れて若干の考察を試みんと思ひ立つたのが本稿である。私は右の書物のうち特に「機械と文學」および「機械戱曲」を熟讀した。機械戱曲の章はさすがに機械に關心を持つてゐるだけあつて、光成信男氏が「文章俱樂部」でそれに依據して書いておられたことを偶拜見して驚いた譯である。
 私はフオツクスの書物には據りたくない。そしてよしどんなに幼稚であるにしても、私自身の見解について云はうと欲する。
 近代は機械文化の世界である。それ故に機械は我々の生活にその影響を少からず投げいれてゐる。しかもそれは受容的乃至利用的方面においてである。だから、機械そのものを拒斥的な立場において題材にした文學例へば「織匠」「機械破壞者」の如きは、今われわれが機械と文學とについて考察を加へる場合に除去すべき種類に屬するのである。機械を肯定した上での關涉論であらねばならぬと私は思ふ。
 機械は人間の生活を變へて行つたことが認められうるとすれば、人間の生活を反映する文學にも當然に影響を持つたといはねばならぬ。