古雜文庫

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河井醉茗:詩の大轉換期

表 題 詩の大轉換期
——明治四十年、四十一年——
著 者 河井醉茗
底 本 『自由詩人』第四卷第一號(1949年1月1日 自由詩人社刊)
初 出 同上
更新日 2022/03/03

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 元來文藝の推移と轉換は明治とか大正とか或は昭和とか年代に依つて區劃されるものではなく、底に流れてゐる思潮に基くことは言ふまでもない、そこで大正期の詩は明治四十年頃から新しい勢ひを盛り上げてきたのである。明治四十年乃至四十五年までの四五年間は、時代としては明治であつても、詩の流域では旣に大正期と視てよい。即ち明治年代の詩と切り離して新しい詩の發展が發生したのである。
 之を明治十五六年頃の詩の草創期に比較してみると、草創期には何ものもなかつたところに『新体詩』を創めたのだが、四十年の運動は旣に詩と謂ふ一つの文藝形式の成立してゐるのを更に革新しようとする氣運が到來したのであつた。新しいものゝ興らうとする時には、古いものが排斥され、除外されるのは當然ななりゆきで、よいものも、よくないものも凡て明治の詩をのけものにしようとしたのである